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アンケートから生まれた Love story
第8章 2人の夜と、秘密
‟ 誰とも結婚しない ”
「……しえりさん」
ハッと我に返る。
いけない。
呼ばれるまで、フリーズしてた。
「あ、あの…」
「いいよ。俺があんたの立場でもきっとそうなる」
「……!」
「ごめんな」
私の頭にポンッと手を乗せて、彼はベッドから降りた。
「あんたや一般的な幸福論を否定してるわけじゃないよ。
俺がマイノリティってだけ」
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して、そう話すタカくん。
「……」
もちろん、驚いた。
だけど前にも彼が言った通り、幸せの形は人それぞれだから
彼自身を否定したりなんてことは絶対にしない。
私が止まってしまったのは、そうじゃなくて
……自分に誓ったと呟いた彼が
どこか悲しげで、何かを心の奥に秘めているような
ゾクッとするような表情をしていたから……