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アンケートから生まれた Love story
第8章 2人の夜と、秘密
「……理由を、聞いてもいい?」
ペットボトルを開けて渡してくれた彼に、声を掛ける。
「そう宣言する程の、なにかが…」
「だめ。秘密」
「……!」
「あんただって俺に隠し事してるだろ」
ベッドの淵に腰掛けて、腕を組んだタカくんが切り返した。
「あんたにお告げする、教祖って誰~?」
「……それは…」
「その謎の創始者、実在してるわけ?
まさか雲の上にいるとかファンタジーなこと言わないよな」
「い、言わないよ!ちゃんと生きていて私に…」
「ふーん、じゃあ誰?」
タカくんは一歩も動いてないのに
グイグイと攻められているような感覚で、飲んだ水を咽そうになってしまう。
誰って……
そんなの、答えたらなんて言われることか。
あなたと今こうして過ごしていることですら
‟ あの人 ” には報告していないというのに……
「……秘密、です」
「はは、ほらな」
やっぱり、と言って笑って、タカくんが私からペットボトルを取り上げた。
……さっきの表情は、もう残っていない。