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アンケートから生まれた Love story
第8章 2人の夜と、秘密
「どちらにしても
結婚して幸せになりたいあんたと、生涯独身で幸せを探す俺。
2人の道は真っ直ぐで、永遠に交差しないってこと」
「……!」
「だから
俺と一緒にいる時間は、しえりさんにとっては無駄になる」
水を飲みながら、タカくんが結論付けるように言ったから
朝日に照らされた彼の横顔を、じっと見つめた。
……永遠に交差しない、か。
そうよね、私はやることも進む方向も分かってる。
タカくんの協力のお陰で、婚約者に対して私の気持ちは吹っ切れて
ちゃんと終わりに出来たんだから、また新たな幸せを見つけなきゃ。
……だけど
「……新たな、幸せ……」
ポツリと呟いた私の脳裏に
初めてカフェで出逢った時の、タカくんの言葉が浮かんだ。
‟ いいんじゃねぇの。
留まって、引き返して、時には脇道に逸れてみても ”
‟ 遠回りが最短の近道になることもあるって、よく言うだろ ”
……33回目の誕生日を迎えて
振り出しに戻った私に、そんな余裕はないのかもしれないけど……