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アンケートから生まれた Love story
第8章 2人の夜と、秘密
……彼にとっては何気ない言葉だとしても
こんなにも胸がいっぱいになってしまう。
今からこんな調子で本当に大丈夫だろうか。
胸キュンし過ぎて圧迫死なんてことにならないかな……
「だけど俺、仕事以外全般かなりいい加減だぜ」
「……!」
「何回も言って逆に嘘っぽくてダセェけど」
私の肩に腕を回して、タカくんが溜息を洩らした。
「多分今は意識的にいいところしか見せてねぇし、俺のこともよく知らないだろ。
あんたの想像通りの男じゃないと思うよ」
「それは、私の方こそ…」
「急な出張でドタキャンとか普通にするし。
そうなったときの切替えっつったら、自分でも引くほど早い…」
「そりゃそうよ!」
思わず遮って叫んでしまった。
私はこの2週間もの間
彼にどれだけの時間を使わせてしまったのだろう。
激務と聞く商社に勤める若手に、貴重なプライベートを削らせて
……だから、今伝えたいことは
「……体を、大事にしてね」
「……!」
「1人でゆっくりする時間が必要って、私自身が実感してることなの。
タカくんにそんな余裕は無いと思うけど……休めるときは休んでね」
「……」
「ONもOFFも完璧なんて、疲れちゃうから。
いい加減くらいがちょうど良いのよ、きっと」