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アンケートから生まれた Love story
第9章 花火
「……!」
お決まりの指示を聞いて
お決まりの返事をして切ったスマホの画面に、表示したのは
「タカくん…!」
不在着信を告げるアイコンが、ピカーッと一際輝いて見えた。
急いで折り返しの電話をかけると……
『しえりさん、お疲れ様』
……あぁ、やばい。
本当に凄い。
暗くて重かった心に光が差し込んだみたい。
たった一言だけで、疲れもなにもかも吹っ飛んでしまった。
『……聞こえる?』
「き、聞こえます!」
慌ててスマホを握り直して、背筋を伸ばす。
嬉しい。
声を聞くだけでこんなにも嬉しい……のに
「タカくんもお疲れ様…」
『本気で相性良いのかもな、俺達』
「……えっ?」
『こっち。外見て』
メイン通りに繋がる、コンクリートタイル
屋根のある支柱の手前
「しえりさん」
ガラスを隔てたその先で
通話を切ったタカくんが、スマホを上げて笑った。