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アンケートから生まれた Love story
第9章 花火


大きな交差点の手前に差し掛かったところで
街灯の下で足を止めて、タカくんがスマホを取り出した。


「今日会えるのは予想外だから、あとで電話しようと思ってたんだけど。
しえりさん、今週の土日空いてる?」

「土日?」

「もう明後日だけど」


唐突でごめんねって言って、街灯を囲むガードレールに腰を付けたタカくん。
明後日の土日……それはもちろん


「両方ガラ空きです」
「それは良かった。花火見に行かない?」
「……!!」


花火……!?


「花火ってあの火薬で破裂させて夜空に打ちあがる
光の輪が花を咲かせているような幻想的な美しさの!?」

「……うん、それ」

「一瞬で消えてしまうけど、その華やかな色や音が切なくて
人々の心を和ませてうっとりさせる、花火……」


そうよ、もうそんな季節。

小さいころ、毎年祖母の家に帰省する時
決まって見上げていた色とりどりの夜空が浮かんでくる。

東京に来てからも、何回か見たけど

……花火を、タカくんと一緒に……っ





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