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アンケートから生まれた Love story
第9章 花火
「それで、どう?」
「もちろん行く!嬉しい」
あぁ、なんだかもう
遠い記憶の彼方に消えた、楽しい学生時代が蘇ってくるみたい。
さっきから私の体に大量の風船が付いてる。
ふわふわと浮かんでしまいそうになる。
「天気どうかな。晴れるといいね」
「今調べたら降水確率0%」
「わぁ、やった♡」
スマホを見るタカくんの隣りに並んで
頭の中で当日の妄想を繰り広げていく。
「屋台ハシゴして、芝生にシート広げて待って、渋滞と混雑に耐えて…」
「いや若ぇな、あんたの花火」
「えっ? だって花火大会といえば…」
「まぁそれでもいいけど」
タカくんがそう言って、私にスマホの画面を見せてきた。
「……!」
明後日は、8月第1週目の土曜日で
各地で多くの花火大会が開催されるけど
都心からすぐ行ける場所の、近場だと思っていたわけで
「ここって…」
「新幹線で2時間かからねぇくらい」
「……!」
「で、残り1部屋偶然空いて予約できた」