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第9章 花火

「これも今日の為？」


サイドプリーツの入った、ノースリーブのロングワンピース。
後ろがＶネックになっている、自分の中での露出ギリギリ。

……この歳でも、無理なく着れるものを。
そうは言っても、少しでもお洒落したい気持ちは隠せなかった。


「……ただ、１枚羽織っただけ…
……！」


ドギマギして小さい声を出した間に
私の髪をかきわけて、首の後ろにキスをされる。


「……っ」


チュッと優しいリップ音。
くすぐったくて、逆にうずうずしてきちゃう。


「屋上に上った方が、もっとよく見えると思うけど
ここでいい？」

「……ん、…っ」

「人、他にも居ると思うから」


キスの合間に話し掛けられても、答えられない。

うなじの周りを、柔らかい力でされているだけなのに


……全身が火照って
これだけなのに、吐息が漏れてしまう。