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アンケートから生まれた Love story
第9章 花火


「見て、こっち」


ようやく止まったキスの雨。
タカくんに促されるまま、振り向くと


「全室についてるらしい」
「……!」


本当だ、気付かなかった。

キューブ型のランプが四方に置かれた、デッキテラスに溶け込んだ客室露天風呂。
ゆらゆらとお湯が揺れている。

ここって角部屋だけど
壁の向こうには当然、隣りの客室の露天風呂があるのよね?
上の階もきっとそうよね?


「しえりさん、入りたい?」
「~~~!!」


タカくんに聞かれて、ドキーッと全身が波打つ。

……は、入るって

一緒に、タカくんと一緒にお風呂に
この開放的な場所で……!?


「ちょっと私にとってはハードルが高…」
「色々準備してきたのに?」
「そ、それはここまでの射程圏内とは想定してないから…!」
「……言い方」


冷静に返されたけど
手摺に寄りかかって、タカくんが笑った。


「いいよ、俺も最初から別々でって思ってたし」
「……!」
「意外と明るいし、色々見えたら困る」
「~~えっ!?」
「しえりさんじゃなくて、俺がね」







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