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アンケートから生まれた Love story
第9章 花火
……なにを見られたら困るの?
深い意味はないのだろうけど
タカくんの声で言われると、変な方向に想像力を掻き立てられてしまう。
「……」
柵を背にして、手摺に腕を付けて
空を仰いだ彼の横顔を、隣りからそっと見上げる。
……夜風が髪を揺らして
目を閉じている長い睫毛も、高い鼻も、唇も
「……あなたの方が、綺麗」
遠くから、大勢の花火の見物客の声が聞こえて
カウントダウンが始まったから、歓声に紛れて呟いてみた。
……4つ歳下のこの人と、出逢えたのは偶然で
本来は絶対に関わらない位置に居る人で
お互いの価値観も違うし、ゴールも違うところにある
‟ 俺は
過去一度だって、そんな理想を描いたことはない ”
‟ 2人の道は真っ直ぐで、永遠に交差しないってこと ”
……もしも、このまま
道を逸れて休憩中の私が
新たに進みたいと思ったその先で
いつかあなたの道に辿り着くって……想像したらダメかな……