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アンケートから生まれた Love story
第9章 花火
「見ないの?」
ハッと我に返ると
後ろ向きの体勢はそのまま、タカくんが私を見つめていた。
「始まったよ、花火」
「あ…っ、うん、ほんとだ」
「どうかした?」
「ううん、タカくんに見惚れてただけ…」
ってまた私は……と項垂れて、手で顔を覆う。
いいかげん誰か私の口に鍵をかけていただきたい。
「あんたさ。
言った後、しまったって顔する時多いのな」
「……そうみたいです」
「なんで?
俺、大抵褒め言葉しか聞いてないしいいじゃん」
部屋の明かりも消していて、テラスの淡い間接照明だけだから
色とりどりの花火が、こんなにも鮮やかに私達を映し出す。
「どうしてか、タカくんの前だと素直に言えるの。
1番言わなきゃいけない人の前だと、詰まっちゃうのに」
「………」
「普段の説明じみた口調も、反動からきてるのかも。
……言いたい時に限って、心の声をうまく言葉にできないから……」