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アンケートから生まれた Love story
第9章 花火
……本当は
今日のことも、事前に報告しなきゃいけなかった。
だけど、邪魔されたくないし
怖さもあったから、朝からスマホの電源を切ってしまっている。
今だけは、あの人の指示から離れて
心のまま、思うまま過ごしていたい……
「しえりさん」
花火を見つめる私の右側に、タカくんがぴったり並んだ。
「俺とあんたは、こうして2人で花火を見てるけど
出逢ってまだ1ヶ月だし、お互いをまだよく知らない」
「……!」
「今も、あんたがなんでそんな悲しい顔してるのか
理由が分からない」
心配そうな表情で、タカくんが私の髪を撫でてくれる。
「もしかして、元婚約者関係でまだ何かある?」
「……!」
「何か嫌がらせとかされて…」
「ない、ないよ! 大丈夫」
せっかくタカくんと居るのに、何を考えてるの私は。
この時間を楽しみたい。
今はこうしていることが
心から幸せを感じているのだから……