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アンケートから生まれた Love story
第9章 花火
だから左胸を押さえているわけだけど
顔を上げたタカくんは、呆れた表情をして私を見つめる。
「……どう考えても好きでしょ」
「……!」
「好きだよ俺、あんたのこと」
「……!!」
「どんなに鈍くても、ここまでの流れで大体分かるじゃん。
てゆーか分かってよ」
肘を付いた手に顎を乗せて、タカくんが私から視線を逸らした。
……それは、そうだけど……
さっきからキュンキュンして仕方ないの。
好きって言葉に、こんなに威力があるなんて知らなかった。
「……あんたが気付いてる通り、俺は色々矛盾してる」
「……!」
「この先どうなるか知らねぇなんて
無責任な発言は出来ないことも、分かってる」
静かにそう言って、彼はゆっくり上体を起こす。
「俺も出逢えたことは嬉しい。後悔はしていない」
「……!」
「だけど今ならまだ間に合うよ、しえりさん。
結婚して家庭を築きたいなら、俺から離れるべきだ」