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アンケートから生まれた Love story
第10章 軋み
‟ 今の自分の素直な気持ちを、大事にしたい ”
「違います。私は……っ」
大きな声を出して、電話の相手は驚いたようだけど
……秋は、表情を変えず私を見つめている。
「私は、結婚しません」
『……!』
「結婚はもう出来ない」
敬語も絶対だったから、余計に手が震えるけど
それでも、ここで言わなきゃ
きっとこの先も私は変わらない。
「今まで言う通りにしてきたけど
うまくいかないのは、全部自分のせいだって思ってたけど
本当は違うんじゃないかなって、そう気付いて……」
『……』
「本当に進みたい道は違うって気付いたの。
だから……これからは自分で人生を決める」
秋から手を離して、両手でスマホを握った。
大きく深呼吸する。
「もう電話しない。
だから、そっちからも電話してこないで…」
『しえり。
今居る所から戻りなさい。電話じゃダメだわ』
「……!」
『あなたは今酷い錯乱状態で、血迷ってる。
ちゃんと顔を見て話せば、自分がいかに間違った発言をしているか…』
「私はお母さんとは違う!」