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アンケートから生まれた Love story
第10章 軋み
思わずそう叫んで、ソファから立ち上がった。
「私はもう、お母さんの言う通りにはならない。
……なりたくないの」
直接顔を見て話したら、絶対に引き戻されてしまう。
次に進もうとしている今、会うわけにはいかないの。
「……理想の娘じゃなくてごめんなさい。
だけど、もう言いつけは聞けない」
「……」
「私、もう33歳だけど……まだ33歳なの。
まだきっと間に合うって……自分を信じたいから」
私の反抗期は、こんな大人になってまで燻っていて
……拗れたまま、なんの解決もしないけど
それでも、今は
今は……
「電話を切るわ、お母さん。
暫くは帰らないし会わない」
『……しえり…』
「お父さんにも伝えてね。それじゃ」
何か言ってくる前に、一方的に通話を切った。
折り返しが掛かってこないように
長押しして電源をオフにしたかったけど、指が震えて無理だった。
……全身がバクバクと波打って
呼吸が乱れて苦しくて、目の前がクラクラする。
「……っ」
こんなの、逃げてるだけだ。
1人でキレて……なにやってんの私……