この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
アンケートから生まれた Love story
第10章 軋み
「……!」
窓の方向を見て立ち尽くす私に
後ろから、秋の腕が巻き付かれた。
「……っ」
片手で優しく引き寄せられて、秋に寄りかかる格好にしてくれて
……また胸が苦しくなる。
「……ドン引きでしょ?
ここまで秘密にしてきた教祖が、単なる自分の母親って知って」
「……」
「こんな歳にもなって、本当にみっともないよね」
掠れた声でそう言って
胸の前で包まれた腕を、ぎゅっと握った。
後ろからで良かった。
秋から私の表情は見えない。
こんな歪んだ醜い顔、見られたくない。
「……さっさと断ち切ればいいのに、出来なかった。
ずっと両親が正しいって思って生きてきたから」
「……」
「それも言い訳だって分かってる。
母親の言う通り、困らせることばかり…」
「みっともなくなんかねぇよ」
ぎゅっと力を入れて、秋がさらに強く私を抱きしめた。
「言ったじゃん、間違ってないって」
「……っ」
「言い訳していいし、困らせていいよ。
それでいいんだ」