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アンケートから生まれた Love story
第10章 軋み
── また、あの時と同じ。
不思議だな。
彼の一言で
苦しみも、痛みも
すうっと和らいで、魔法のように消えていく。
「なんとなくだけど、想像はできてた。
相手は親族で、近い位置にいる人なんだろうなって」
「………」
「……母親、か。
近ければ近いほど、断ち切れねぇよな」
……もう片方の手が、頭にポンッと乗って
何もかもが優しくて……余計に泣けてきてしまう。
普通だったら、こんな女無理って突き放したくなるのに。
「……秋、引かないの?」
「何が?」
「何って…」
「全然。ちゃんと自分で違うって言えてたじゃん」
まったく気にしないといった様子で
軽い口調で秋は笑った。
「結婚について、親に意見したのは初めて?」
「……今まで、小さく抵抗したこともあったけど
あんな風に言い切ったことなんてないから、何をされるか……」
「されるって何が」
「分からないけど、すごく怒ってるだろうし
きっと許してくれない」
「……ふーん」
せっかく落ち着いてきた心が、またザワザワと揺れてきたけど
私の頭を撫でながら、秋が口を開いた。
「じゃあ、そうなった時一緒に考えようぜ」
「……!」
「解決策はきっとある」