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アンケートから生まれた Love story
第10章 軋み
……余りにも驚いて
一瞬声が出てこなかった。
秋の言った言葉を、頭の中で繰り返してみる。
「一緒にって……」
体を捩って、腕の中で振り向くと
秋も力を弱めて、私を見下ろした。
「秋、私の話聞いてた……よね?」
「うん」
「あのね、私33なの」
笑って誤魔化したいのに、顔が引きつる。
心がザワザワ揺れる。
「この歳になっても親の言いなりで
色々拗らせた、アラサー後半女の揉め事なのよ?」
「そーいう言い方するなって」
「でも事実そうだから。
そう、私……私自身の抱えた問題」
誰にも隠し続けてきた秘密を
好きになった人に知られたってだけで、こんなにも恥ずかしいのに
どこまでも迷惑をかける女ってことが、嫌でも身に染みて苦しい。
これ以上、嫌われたくないのに……
「お金を取り返す事とは全然違うわ。
何十年もこんな状態で、解決策なんてすぐに見つかるはずが無い」
「分かってる。そう簡単じゃねぇことだって。
だから一緒に考えようって言ったんだ」
「……っ
それは、私が1人で…」
「なんで1人だと思うんだよ」