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アンケートから生まれた Love story
第10章 軋み
秋が私の手首を掴んだ。
……押し付ける力じゃなく、支えるように。
「どうして1人だと決めつけるの」
「……どうしてって……私と母親の確執だからよ。
他の人を巻き込むなんて、とてもじゃないけど考えられない…」
「今まではそうだとしても、これからは違う」
持ったままの携帯を
秋はソファの上に置いてから、私の手を取り直した。
「1人で解決できないことがあるなら、頼れよ」
「……っ」
「頼っていいんだ」
……あぁ、この人は
どうしてこんなにも、切ない表情で
私が求めることすらできなかった、救いの言葉をくれるのだろう
「……重すぎるわ、とても」
「じゃあまず半分持つ」
「……!」
「全部って言いたいけど
あんたは何かにつけて遠慮してくるからな」
ぶっきらぼうにそう言ったけど
重ねた手を見つめて、秋はふっと笑った。
「……2回目に会った時
土砂降りの中で俺に聞いただろ、なんで優しくするのかって」
「……!」
「あの時はマジで分からなかったから、何も言えなかった。
惹きつけられたことを、誤魔化したくてキスをしたのかもしれない」