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アンケートから生まれた Love story
第10章 軋み
‟ しえり、あなたには無理。出来ない子なのよ ”
‟ 言う通りにすればいいの。1人では絶対に解決できないんだから ”
いつもそう言われ続けてきた
何をしても、頭のどこかで自分はダメだと言い聞かせていた
だけど
─── 大丈夫
‟ 最後はきっと、自分自身で乗り越えられる ”
「……っ」
秋の言葉は
私に手を差し伸べるだけではなくて
背中を、そっと押してくれる
─── 自分の足で、前に進めるように……
「ありがとう、秋。
……頑張ってみる、私……」
溢れそうになった想いを、なんとか堪えて
体を離して笑顔を見せた。
「凄く大きな勇気をくれて
なんでも出来そうな気がするくらい、頑張れそう…」
「頑張らなくていい」
「……!」
「自分に頑張れって言うと、辛く感じる時があるから。
踏ん張って、少しずつ歩く気持ちで」
「……っ」
「それくらいでいこう、な」
秋の微笑みが、結局私の涙を溢れさせて
この温もりが愛おしくて、力の限り抱きしめた。