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アンケートから生まれた Love story
第10章 軋み
* * *
「── しえりさん、着いたよ」
軽く肩を揺らされて、ハッと気付いて目を開いた。
えっ、寝てた?
いつの間に……
「ご、ごめん、私…」
「終点だから大丈夫。貸して、荷物持つ」
手を差し出してくれた秋と一緒に、東京駅のホームに降りる。
日曜日の午後だけど、思った程混雑はしていない。
……帰ってきたんだ。
あっという間だったな。
最後母親からの電話が余計だったけど、本当に楽しかった。
「まだ終わりじゃないけどな」
エスカレーターを降りる、秋の顔は引きつっている。
「よりによって指定場所が会社の近くって。
あの人仕事してるんじゃねぇだろうな」
「……どこで待ち合わせ?」
「とりあえず南改札のドーム下で、電話してみる。
あんたと初めて会ったカフェになったりして」