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アンケートから生まれた Love story
第10章 軋み
‟ しえり。今居る所から戻りなさい ”
……最悪。
一体どこまで執着しているの。
「……まともな母親なら
娘の携帯にGPSをつけたり履歴を調べたりしないわ」
「娘がまともじゃないから、そうしてるんでしょう。
そして敬語を使いなさい」
「………」
「まったく……暫く間が空くとすぐこれだわ。
恥ずかしいったらありゃしない」
顔を左右に振って、呆れた表情の母。
後ろを行き交う人たちにチラチラ見られている。
……恥ずかしいのは、私だけのせいなの?
「……それで、この方はどなた?」
ギロリと寄った視線で、私はようやく気付いた。
……秋……!
「……っ」
バッと体を右側に向けると
通話中だったスマホを手に持ったまま、秋は身動きせず固まっていた。
……そりゃ驚くよね。
突然、人の親が目の前に現れて頬を叩いたんだから。
奥から苦しみが溢れてきて、脈が激しく波打ってくる。