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アンケートから生まれた Love story
第10章 軋み
「お母さん…」
「写真で見た婚約者と違う」
顔を動かさず、上から下まで舐めるような視線で
品定めをするように秋を睨みつける母。
……やめて。
お願いだから秋に関わらないで。
「お母さん、この人は…」
「しえり、まさかこの男と外泊をしたの?」
「……っ」
「私に報告せず、どこの誰かも分からない男と」
……秋から逸れたけど、その目が私をまっすぐ捕えた。
バクバクと全身に心臓の音がたたきつける。
説明したいのに、胸が圧迫されて声が出ない。
「ねぇしえり、何度も言ったでしょう」
うってかわった猫なで声で
母は表情を柔らかくして、私にもう一歩近付いてくる。
「あなたは普通と違うのだから、自由に恋愛なんてしたらダメなのよ。
今まで何度後悔してきたか、どれだけ失敗してきたか覚えているでしょう?」
「……っ」
「甘えてばかりで、そんな歳になっても理解力が足りなくて。
ちゃんと私の言う通りに、努力をしなければ幸せにはなれないわ」