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アンケートから生まれた Love story
第10章 軋み
─── 前方から、呼び声が聞こえたと同時に
私のすぐ横で
突然、秋の体が柱をつたって崩れ落ちた。
「……!!」
あまりにも急で、声が出ない。
膝を曲げて、うずくまる様に倒れ込んだ秋の
……前に出された両手が震えている。
「……ア、キ…」
「ごめん、ちょっと通してください」
私が秋を呼ぶと同じタイミングで
母の後ろから、黒いTシャツを着た背の高い男性が近付いてきた。
……目の前で立ち尽くす母も
私と同じように、固まったまま秋を見下ろしている。
「……タカ。
聞こえるか?」
落ち着いた、穏やかな声でそう呼び掛けて
秋の前にしゃがんだその人は、震えが止まらない秋の手を握った。
「……っ」
すぐに握り返した秋は
苦しそうに短く浅い呼吸を繰り返している。
……この症状……
「……蓮さ…」
秋が小さく声を出した。
少し上げたその顔は、真っ青で
だけど額に汗がじんわり浮かんでいる。
「蓮さん…」
「タカ、大丈夫だ」
「……っ」
「大丈夫」