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アンケートから生まれた Love story
第10章 軋み
……ドクンと心臓が跳ねる。
‟ 悪かった ” ……?
「……叩くなよ、頼むから。
やるなら俺に」
「……!」
「俺なら……どんなに殴ってもいいから」
震える声で、絞り出すように呟く秋。
支える2人が、一瞬視線を合わせたけど
鈴木くんが秋の手を握り直した。
「……タカ、殴ったりしない。
何も心配しないでいいよ」
「……っ」
「今の痛みは、直に消える。
ちゃんと消えるから」
諭すように声を掛ける、鈴木くんは悲痛な表情で
反対側の肩を持った姫宮くんも
唇を噛みしめて、何も言わず秋を真っ直ぐ見つめている。
“ 俺ならどんなに殴ってもいいから ”
「……っ」
─── 私は、何も知らない
出逢ってから、まだ1ヶ月しか経っていないから
秋がどんな環境で生きてきて
どんな悩みを抱えているかなんて、知る由もなかった
だって
私の傍に居てくれた時、秋はいつも……
“ 悲しいだろ、今。
あんたは、自分で思ってる以上に苦しいはずだ ”
“ 頑張ったんだ、しえりさん。
あんたの優しさに、あの男も親子も救われた ”
“ 誰がなんて言おうと、俺は味方だから。
間違ってないよ ”