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アンケートから生まれた Love story
第3章 問答無用で引き受けろ


「優しいな、タカは」


腕を組んだ蓮さんが、俺を見て満足そうに微笑む。

……マジで人の心読めるんかな。
俺のこと優しいとか言うの、この人だけなんだけど。


「さすが若手のエース」

「……エースは蓮さんでしょ。
交渉力で右に出る営業なんて、きっとこの世にいない」

「いや、お前の勢いはかなり驚異的だ。
俺が29の時なんかよりも遥かに」

「それは、今回の案件が…」


俺にとって最後の…

と言いかけたけど、自分で止めた。


月初め、それも月曜始業後の社内。
誰しも自分の仕事に取り掛かって殺気立ってるし、蓮さんもこれから怒涛の商談が待っている。


……今、じゃねぇよな。


「蓮さん」


更に一歩近付いて、声を落とす。


「忙しいところ申し訳ないんですけど
二点程、後で相談したいことがあって」

「うん、いいよ。何?」

「あー…ここだとちょっと…」

「? ミーティングルーム行くか」

「実は、ひとつは仕事の話じゃなくて。
自分でも予期せぬ事態が、今朝発生して…」


と、会話をしていたその時だった。



「帰ったなら挨拶しろよボケ」





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