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アンケートから生まれた Love story
第11章 後遺症
「……今、何時ですか」
右側にある腰高の窓から、夕陽が差し込んでいる。
まだ呆けた頭がうまく回転しない。
「夕方の5時。
ここに着いてから3時間経ったくらいだな」
「………」
「手続きは全部済ませた。
お前の財布勝手に見させてもらったから」
……5時。
蓮さんが居るけど、スーツじゃないから今日は日曜で
ここに着いてからってことは
ここに着くまで、俺は……
‟ ……秋……っ ”
……!!
「……っ」
「寝てろ。起きるな」
支えられた手にぐっと力を入れられたけど
必要ないくらい、体が動かなかった。
……気持ち悪い。
倦怠感がハンパねぇ。
「……しえりさんは……」
「病室の外にいるよ。
彼女の母親も」
「……!」
「この部屋にいるのは、俺と友人だけ」
管が付けられた左腕のすぐ側に、蓮さんが座っていて
その後ろ
少し離れた先の、病室のドア付近
壁に背中を付けて、腕を組んで立っている
茶色の髪がぼんやりと見えた。