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アンケートから生まれた Love story
第11章 後遺症
狭い所でも、過密な場所でも問題ない。
高所も閉所も、環境に囚われない。
だけどその代わりに
不安になる予兆もなく、発症の瞬間は突然訪れる。
……バイオレンスがどんなに小さな規模だとしても
向けられた脅威が、自分じゃなくても
「暴力に直面すると、途端にこの体は動かなくなる」
電話をしていた、は言い訳だ。
「……蓮さん
俺、大切な人を守れなかった」
「……!」
「すぐ隣りで殴られる彼女を、黙って見てたんだ」
「……っ」
「……ただ、呆然と……」
左目の視力がほとんど無いせいで、瞬時の判断も出来なかった。
1度目ならず、2度までも。
彼女と母親の間に差し出した手も、声も震えて
立っていることがやっとだったことを、きっとしえりさんも気付いたはずだ。
‟ 終わらせようぜ。手伝うから ”
‟ 俺があんたを助ける ”
……バカじゃねぇの。
どの口が言ってんだよ。
助けたい
彼女がずっと笑えるように
そう強く願い、行動しても
結局俺は……
「……助けることはできても、守れない」