この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
アンケートから生まれた Love story
第11章 後遺症
海外出張が多いことは、確かに教えてもらっていた。
地理も分からない奥地に行っていたことも。
……でも、それをなぜ今……?
「俺は、業界的にイベントやショーなんかの華やかな場所が多いけど
それでも一歩外に出れば、ここは日本じゃないって気付かされることもあった」
「……?」
「安全で綺麗な場所なんて、限られてて
常にどこかで小さな争いごとが起きてる」
「……」
「自分が気を付けていれば遭遇しない、とは限らない」
手に持った缶コーヒーに、視線を落として
姫宮くんは独り言のように続ける。
「 “ 渡航先で遭遇した、小規模なクーデター ”
目の前で暴動を見たってことだ」
「……!」
「……怖かっただろうな、あいつにとっては」
暴動って言葉に、ドクンと心臓が跳ねた。
……数時間前、母親の言動によって
秋にとって何かをフラッシュバックさせてしまったと、予測はしていたけど
その原因は
もしかして……