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アンケートから生まれた Love story
第11章 後遺症


当時の場面を思い出しているのか
私の手に重ねた、彼の手にも力が込められている。

……薬指に光るマリッジリング。
当然だろうけど、姫宮くん結婚してるのね。


「……ある男って?」

「束縛してた気持ち悪ぃハゲ。
実物に会った瞬間、切り刻んでやろうと思った」

「えっ!?」

「マジでヤバかったんだ。
姉貴と優香がストッパーになってたけど、怒りで全身震えてたし」

「………」

「まぁ、結局のところ社会的に死んだも同然だけどな」


私から離した自分の手を、ひらひらさせて
サラッと言い放ったけど

姫宮くん……な、なにがあったの?
そんな熱くなるような人じゃなかった記憶があるんだけど……


「27歳の冬。 遅い青春だろ?」


固まる私を見て、姫宮くんはふっと笑った。


「きっかけを作って、手助けしたのは俺と仲間だけど
……最後は、美和自身が自分で立ち上がった」

「……!」

「解放された時……会社の屋上で笑顔を見た時
良かったなんてもんじゃない。
胸が熱くなって、嬉しくてどうしようもなかった」

「……っ」


「今でも覚えてて、大切にしてる。
俺が自分を誇れる数少ない瞬間だった。

……あの時があるから
俺は今、美和の傍に居れる」








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