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アンケートから生まれた Love story
第11章 後遺症


……大事な思い出を、優しく包み込むように
姫宮くんは自分の右手を握りしめた。

その表情に、トクンと胸が打たれる。


「話逸れたけど」


だんだんと暗くなる空を見つめて、彼が再び口を開いた。


「蓮の後輩ってだけで、俺は秋ってのがどんな奴かは知らない。
どれだけ辛い過去を背負っているかも」

「……!」

「シェリーとあいつの間に、土足で入るつもりもない」


そう言った後
姫宮くんの綺麗な瞳が、私を真っ直ぐ見つめた。


「それでも
優しさによって、離れようとするあいつを最後に救うのは
シェリーだと思ってる」

「……っ」

「過去の呪縛と恐怖は、簡単に取り除くことはできねぇけど
キッカケを作ってやるだけでもいい」



……私が

秋を救える?


まだ出逢って間もなくて
どんな過去なのかも、分かってなくて


助けてもらってばかりの、私が

最愛の人の為に手を差し伸べた、姫宮くんのように……






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