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アンケートから生まれた Love story
第11章 後遺症
大丈夫?って一言も
心配している様子さえも見せない。
初対面なのに
秋のこと、何も知らないくせに
何ひとつ分かっていないくせに……!
「どうしてそんな酷いことが言えるの?
秋が倒れたのが私達のせいだって、なぜ気付かないの…」
「私はね。しえり、あなたが心配なの」
髪をかき分けて、母が私に一歩近付いた。
「あなたの方こそ、どうしていつまで経っても分からないのかしら。
こうやってわざわざ東京に来るのだって、しえりを想ってのことなのよ」
「……っ」
「私は見捨てるような酷い母親じゃないの。
あなたがちゃんと前に進めるように見守ってあげているのよ」
……どうして
言葉が出てこなくなってしまうんだろう。
反論したい。
そうじゃないって伝えたい。
ついさっきも、負けないって決めたのに
強い気持ちを持って、挑もうって自分に誓ったのに
私を思ってくれている
私の為に来てくれる
私を見守ってくれて……
「シェリー」
─── 頭も心もぐちゃぐちゃで
母の言葉を繰り返すしかない私の耳に、その声が届いた。
「戻ってこいよ。苦しいだろ」
「……!」
「 “ その場所 ” は違うし、 “ その声 ” も聞かなくていい」