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アンケートから生まれた Love story
第11章 後遺症
母が立つ後ろに振り返らず、座って腕を組んだまま。
だけど
戻ってこいって言ってくれた、姫宮くんの一言が
本当に私を引き上げてくれた。
「信じる人の、信じる言葉だけを思い出せ」
「……っ」
「あるだろ、きっと。
シェリーだけの為に、あいつが伝えた想いが」
……信じる言葉
私の為に、伝えてくれた想い……
‟ 大丈夫。間違ってなんかない ”
「……っ」
‟ 言い訳していいし、困らせていいよ。
それでいいんだ ”
‟ 頑張らなくていい
踏ん張って、少しずつ踏みしめていく気持ちで ”
‟ それくらいでいこう ”
……優しい声と共に
心の中が秋の笑顔で溢れて、黒い感情が消えていく。
「……呆れた」
頭を抱えて、母が信じられないといった表情を浮かべた。
「この人も知り合いなの?
しえり、あんたって子は一体どれだけの男を…」
「あぁその通り。知らねぇの?」
「……!」
「シェリーは大学時代、密かにマドンナって呼ばれてた。
俺も友人達も、野郎共みんな憧れの的だったんだ」