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アンケートから生まれた Love story
第11章 後遺症


……胸が締め付けられて、言葉にならない。

姫宮くんが作り出した空気によって
同じように、母も目の前で立ち尽くしているだけだ。


……彼が、そんな風に
私を見てくれていたなんて……


「そうだよな、蓮」


暗くなった窓ガラス越しに、映る人影を見て
姫宮くんが呼びかけると


「……!」


待合室の奥から足音が聞こえてきて
ゆっくりと近付いた鈴木くんが、母の横で止まった。


「ヒメの……友人の言う通りです」


鈴木くんは静かに口を開く。


「彼女は、人の痛みも悲しみも救い上げてくれる
心の優しい人でした」

「……っ」

「きっと今でも変わっていない。
そうだよね、シェリー」


私に視線を移した彼も
あの時と同じように笑顔を見せてくれる。


今ここに来たばかりの鈴木くんも
立ち上がって彼に近付く姫宮くんも

私と母の事情はまったく知らないのに
こんなにも優しく、寄り添ってくれる。


……優しすぎて、胸がいっぱいになる……




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