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アンケートから生まれた Love story
第11章 後遺症
ふわっと体が軽くなって、彼の言葉が私を包み込んだ。
ずっと抜け出せなかった、最後の深い霧が晴れるように
……目の前が、明るく光り輝いていく。
「次に会う時は、笑顔で」
「……っ」
「ヒメと俺と、タカの4人で。
あいつがシェリーを改めて紹介する時を、待ってるから」
鈴木くんは笑顔を見せて、母にも軽く一礼すると
姫宮くんが一歩私に近付いた。
「これからはコソコソせず堂々と
社内で声掛けますよ、神楽先輩」
「……!」
「奈々さんに俺の名前を言えば、ハゲ撃退ストーリーを聞けるぜ。
美和との馴れ初めも」
意味深な台詞を口にして、ニッと笑う。
…… “ 奈々さん ” って。
どれだけ顔が広いの姫宮くん。
「それから
‟ 秋 ” に会ったら、今から言うことを伝えておいて」
……少しだけ沈黙を作ったけど
彼は私を真っ直ぐ見つめて、最後に優しく微笑んだ。
「蓮と葵。
お前が尊敬している先輩2人は、決して完璧じゃねぇけど
そう見える理由はきっと、後輩のお前が傍にいるからだ」
「……!」
「シェリーを助けたお前は、守るだけじゃなく
シェリー自身を次に導く力を与えた。
ちゃんとやり遂げたんだ」
「……っ」
「……元チャラ男の見解だけど、俺の勘は外れない。
必ず追いつけるよ」