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アンケートから生まれた Love story
第11章 後遺症
「私、お母さんの言う通りにしていれば
余計なことを考えなくていいし、正しい道を進んでいるって思いこんでいたの」
「……」
「常に自分は出来ないんだ、ダメなんだって言い聞かせていたから。
遺伝によって人とは違う体だから、普通の恋愛はできないんだって。
……疑問に思う、心の余裕すらなかった」
話している間
正面に立つ母は押し黙ったまま、私を虚ろな目で見ている。
……あぁ、なんだろう。
こんなにも違うのかと驚く程に、その姿は小さく見えて
あんなに怖くて嫌悪感のあった日々が嘘のようだ。
ここに至るまでに、どれだけの時間を無駄にしてしまったのだろう。
「……私が。
私の育て方が間違っていたの?」
「……!」
「そんなはずないのに。
おかしいわ……どこで間違えたのかしら……」
焦点の合わない目で、独り言を呟く母。
……全部この人のせいにして、立ち去ることもできるけど。
そうじゃない。
私自身にも落ち度はあるんだ。