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アンケートから生まれた Love story
第12章 痛みを、強さに
「シアトル・ポートランド、それともSFですか…」
「ロス。弾丸で5日」
「……!」
「俺のテリトリーだ。お前は一切関係ねぇよ」
しれっとそう言った瀬名さんだけど
今週中に進めなきゃならなかった、俺の顧客の本拠地はLAだ。
アシスタントからのメールで、着手済ですと報告が来ていたし
……結局
俺はまた、手柄を隠すこの人に助けられた。
「いつから煙草止めたわけ?」
無表情の瀬名さんがスタスタと病室に入ってくる。
「あんなシケた水蒸気じゃ吸った感ねぇだろ」
「……特に何も言われませんでしたけど
間違いなく、電子タバコもドクターストップになるかと…」
「知っての通り、悲しいことに俺は依存症だから」
「……!」
俺の鞄をキャリーケースの上に乗せると
瀬名さんが顎で合図した。
「一服付き合え」