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第12章 痛みを、強さに

‟ タカ、殴ったりしない。
何も心配しないでいいよ ”

‟ 今の痛みは、直に消える。
ちゃんと消えるから ”



過去の世界と混ざって、意識が飛んでいたなかでも

蓮さんの声が、遠くから聞こえていた


倒れた理由を知らなくても

瞬時に判断して、安心させてくれる言葉だった




……蓮さん　

入社してからずっと
今までも、この前だって

充分すぎる程、あなたは俺に寄り添ってくれているじゃねぇか




‟ 言っただろ、お前は次期エースだ。
他の誰かでは、今のスピードとスキルでこなすことは不可能だと思ってる ”

‟ 俺はタカの方が心配 ”

“ 人はみんな完璧じゃない。
助け合うのは当たり前だよ ”



家族でも友人でもねぇ俺を

仕事でも、オフの時でも

厳しく優しく、いつだって味方でいてくれる人なのに ───