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アンケートから生まれた Love story
第12章 痛みを、強さに
……体が金縛りにあったように、微動だにできず
言葉も封じられて発することが出来ない。
「本来、存在するべきでは無い血を受け継いでいるらしい」
ふいっと視線を外した瀬名さんが、体の向きを手摺りに戻す。
「先祖代々、色んな人種に混ぜて隠した脅威は
時代が違えば拷問付きで抹殺されて、国を跨げば高貴な存在の一族として崇められた」
「………」
「どちらにしても
結果 ‟ 要らない烙印 ” を押されてからは、無かったことにされたけどな」
……いや、待て。
待ってくれ。
俺は一体なんの話をされてるんだ?
血の繋がっていない消えた両親
存在するべきではない血
要らない烙印
隠した脅威
偽りの人生
……瀬名葵は、偽名……?
「……すみません、意味が…」
「分からねぇ、当然だ」
やっと声が出たところで、瀬名さんが笑った。
「言っただろ、童話だと思って聞けって」
「……童、話…」
「昔話には残酷な真実が付きものだからな」