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アンケートから生まれた Love story
第12章 痛みを、強さに
……え?
なに、創作ってこと?
だけどわざわざこんな場所に呼び出してまでする話か?
残酷な “ 真実 ” ってことは、まさか本当に……
「掴みとしては申し分のないミステリーだろ?」
理解が追い付かない脳が、騒しく揺れる中で
瀬名さん本人だけが楽しそうに話を続ける。
「言う必要がねぇから隠しているだけで。
実は意外な過去を背負ってるって奴、案外近くに居るんだぜ」
「……!」
「蓮には入社して数年後、表面的に話した。
死んだのは義親で血が繋がってねぇ事と、施設で育ったとだけ。
これも嘘じゃねぇからな」
ドクッと心臓が動いたのは確かだ。
…… ‟ これも ” ってことは
童話なんかじゃない、本当にあった瀬名さんの過去
それに、施設って……
「瀬名さん、児童養護施設に居たんですか」
「あぁ、脱走しまくって最悪な問題児のレッテル貼られてたけどな。
お前も?」
「……俺は、一度だけ。
その後は定期的な相談所職員の面談で、必要ないって判断 “ させた ” ので」
「………」
「入所と保護の条件は満たしていたけど。
……調査をうまく交わして偽る術まで、身につけたから」