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アンケートから生まれた Love story
第3章 問答無用で引き受けろ
普段、気が動転することなんて絶対に無い瀬名さんが咽せて
普段、ウッカリなんて絶対にしない鈴木さんが吹き出した。
「……なんか、スミマセン」
とりあえず謝った。
……仕事を始めよう。
いや、定例会が無くなった時点で目的が消えたんだから帰ろうか。
出社は本来明日の予定だったわけだし。
帰国後にやるべき、後回しにしていた片付けが溜まっている。
部屋の掃除・衣替え、滞ってる諸々の手続き関係、放置していた女への連絡……
「タカ、上のラウンジに行こう」
暫く笑いを噛み殺して、ようやく落ち着いたらしい。
静かに離れようとした俺を、息を整えた蓮さんが呼び止める。
「さっき言ってた相談事、今のるよ」
「いえ、後で大丈夫です。
なんか俺、変な地雷踏んだっぽいし…」
「瀬名も聞くから、一緒に」
「……!」
顔を上げると、煙草の箱を手にした瀬名さんが既に歩き出していた。
「……あの人、俺に興味ないっすよね?」
「そんなことないよ。
タカの読み通り、瀬名は変わった」
「……!」
「変わったんだ」
そう言って立ち上がった蓮さんも、今までと少し違う。
変わったと言ったその笑顔が、心から嬉しそうだった。