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アンケートから生まれた Love story
第12章 痛みを、強さに
今はほとんど塞がっている、と言って見せてくれた耳は
単に若気の至りではなかったことを示している。
─── 静寂、冷酷、神秘
この人から感じる、月光のような独特な雰囲気は
本人さえも辿り着くことが出来ない、生まれつきの血統そのものなのだろうか……
「 ‟ 孤独 ” 」
「……!」
「響きだけかっこつけてる、この言葉には嫌悪感しかねぇが
……どう考えても俺は孤独だった」
ライターを握りしめて、瀬名さんは切なそうに笑った。
「仲間も身寄りもない。
本当の意味で心を通える奴はいない。
表面的な繋がりは吐いて捨てる程いるが、結局多ければ多いほど独りを実感する」
「……」
「別にいい。どうでもいい。
何をするべきでもしたいわけでもない、適当に息して暮らせばいい。
次第に軸がブレて惰性が生まれた。
……無気力だった、何もかも」
……この人程スケールは大きくないけど
どこか似ている幼少期の心境に、無意識に頷いた。
仮面をかぶり続けることで、周りに溶け込み適応できるようになっていく。
……変わらないって分かってるから
心を閉じ込めて生きていけるようになるんだ。