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アンケートから生まれた Love story
第12章 痛みを、強さに
── 心か体のどちらかが壊れたら終わり
……確かにその通りだ。
入社当初、名前を覚えきれない数が居たはずなのに
毎月送別会なんてこともざらに起きる程、見送る社員は年々増えていく。
例え負け組と言われようが
鬱になる前の段階で気付けば、第2の職場も人生も見つかるから。
……だけど瀬名さんは
蓮さん同様、自他共に認めるカースト上位に君臨する逸材で
絶対的な自信がある人だと思っていたけど……
「ボロッボロだったらしいぜ、俺の体内。
ジャンキーかってくらい、えげつねぇ数の治療薬を服用してた」
「……!」
「失敗してもなんとかなるなんて、割切れる職種じゃねぇからな。
何艘もの船を沈ませねぇ為に、自分自身が溺れないように必死。
毎日毎日」
「………」
「すげーのは蓮だ。嫌味や嫉妬なんてのは超えて
……あいつは、本当の意味で強い」
……そこまで
淡々と話す瀬名さんだったけど
「……!」
今までに見たことがない切ない視線を、俺に向けた。
「だからな、タカ。
俺はよっぽどお前の方が近いぜ」
「……っ」
「孤独で、弱くて、偽って。
人一倍寂しがりやで苦しいくせに、仮面をかぶって平然を装ってた。
……普通になりたいと、常に願いながら」