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アンケートから生まれた Love story
第12章 痛みを、強さに
「── タカ。 人は変われる」
「……!」
「やり直せるんだ」
左胸に、拳がグッと当てられて
瀬名さんの瞳が、真っ直ぐ俺を見つめた。
「過去は捨てられなくても、本質にあるものが変わらなくても
思い掛けないことがキッカケで、偽りの仮面は外れる」
「……っ」
「ほんの些細なことで、どんなに小さかったとしてもだ」
込み上げる想いでいっぱいで、言葉が出てこない。
そんな俺の後頭部に回った、大きな手。
「お前が味わった痛み、悲しみ、苦しみが
お前自身を救う強さになる」
引き寄せられた瀬名さんの肩に、額を付けると
熱い想いが伝わって
……もうだめだった
「お前は弱くない。父親とは違う」
「……っ」
「忘れるな、絶対に。
忘れそうになったら何度でも、蓮と俺が証明してやるから」
火傷の残る背中を、力強い腕に包まれて
目の奥から、堪えきれない涙が溢れた。
「高野秋。 自分を信じろ。
お前は必ず自分に勝てる」