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アンケートから生まれた Love story
第13章 逢いたい
‟ 9時過ぎにタカ1人で帰すように、うまくやるよ。
大丈夫、心配しないで ”
こう見えても直属の主任だから、と言ってくれた鈴木くんの笑顔を思い出して、心を落ち着かせる。
秋の予定を知らない
いつ会えるかも分からない
ましてや数千人といる社員達の中から見つけられるとも限らない
……だから
困ったことが起きたら助ける、と
11年前にくれたカードをここで切ったタイミングについては、間違っていないと思う。
……いや、でも待って。
逆にダメだったのではないだろうか。
同じ大学だったという立場を利用して
しかも秋にとっては尊敬する先輩で
完全プライベートにも関わらず
そんなコネを使って、秋の懐に土足で忍び込もうとするなんて……!
「・・・やっばり、帰ったほうがいい?」
考えれば考える程マイナス方面へと働く思考。
独り言も止まらないし
石像の前で1人でウロウロしている時点で相当怪しいし。
だけどここで逃げたら鈴木くんも迷惑だろうし
いやもう既に迷惑かけてるんだけど
「……ヤバイ、思考停止」
と、フリーズ寸前に陥った……
その時だった。