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第13章 逢いたい

── 秋

今になって、あなたの心にようやく気付いたわ



‟ 俺は過去一度だって、そんな理想を描いたことはない ”

……描いたことが無いのではなくて、描けなかったんだ。



‟ 誰とも結婚しないって決めてる。
これからもずっと……自分に誓ったんだ ”

……決めたのは
誓わないと揺らいでしまいそうだったから。



‟ 結婚して家庭を築きたいなら、俺から離れるべきだ ”


「……っ」


……きっと、本当は

秋が心からそうしたいという願う希望の、裏返し

そうだったのよね……？

　

「……しえりさん」


秋の肩に額を付けて、俯いた私。
左腕で抱きかかえられて、髪を優しく撫でられた。


「ごめん。
聞きたくねぇよな、こんな話…」

「ううん、違う……ありがとう」

「……！」

「話してくれてありがとう。
言い方間違ってるかもしれないけど……嬉しくて」