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アンケートから生まれた Love story
第13章 逢いたい
どれだけ長い時間が経ったとしても、想い焦がれる気持ちは消えないはずだけど
「……さぁ、どうだろうね」
はぐらかすような言い方で、秋は私から視線を逸らした。
「ガキの頃……最初は少なからずそう思ってた。
知識や体力を十分に備えて、父親を家から追い出すことだけが目標だったから」
「……!」
「中途半端な状況だと、また同じことになる。
だから完璧に俺が優位に立ったと証明して、追放できれば
……また一緒に暮らせる夢を、叶えられるって」
「……っ」
「家族は俺だけになるけど
安心して暮らせるからと……胸を張って迎えに行きたかったんだ」
穏やかに話す秋の言葉に、目頭が熱くなって
……強い想いが、心の奥に伝わってくる。
「……だけど、さっき言った通り
結局俺はその環境を作ることが出来なかった。
3人で穏やかに暮らすイメージは、どうしても持てなくて」
「……!」
「結果、1番憎い相手を選んで、支えて
……今でさえ、時々実家に連絡して様子を見てやってる」
秋の声が、小さく擦れる。
「父親を救って、母親を捨てたといっても過言じゃない。
……そんな非情な息子が、どの面下げて会いたいなんて言える?」
「……!」
「迎えにこなかった俺に、誰が会いたいなんて思う?」
「……っ」
「……思わねぇよ……」