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アンケートから生まれた Love story
第13章 逢いたい
体を離して、秋の頬に両手を添えた。
……濡れた前髪から除く、切ない瞳。
「秋が病院に運ばれた日に、私は母に伝えたの。
……自分の人生を歩むために、離れますって」
「……!」
「……たったそれだけ。
傍から見たら、ただ単に逃げただけで……解決には至ってないと思う」
それでも、こんなにも心が開放されて
私の進む道は、太陽の光が照らされたように明るくなった。
「でも、秋は違う。
逃げるでも離れたままでもなく、ちゃんと向き合えるわ」
「……!」
「私よりもずっと強くて、誰よりも優しい心を持っている。
その心はきっと相手に伝わる。
……だって、秋のお母さんだもの」
「……っ」
「きっと、きっと届くわ」
心の声をそのまま伝えて
秋の瞳を真っ直ぐ見つめると
……秋はまた視線を落として、私の肩に頭を置いた。