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アンケートから生まれた Love story
第14章 いつまでも、幸せに
─── 会社で待ち伏せして
鈴木くんの協力のお陰で、再会することが出来たあの日から、1週間。
秋の部屋で教えてくれた、家族の話を聞いて
秋の気持ちを直接届けたいって、そう思った。
新幹線の主要駅では止まらない
電車をいくつか乗り継いできた、海沿いの小さな街。
……秋のお母さんが暮らすこの土地に、こうして足を踏み入れたけど
でも、今日は会うことが目的じゃない。
「急ぐ必要なんて、まったく無いわ」
帽子で顔を隠した彼に向けて、私は微笑んだ。
……そう、待ち合わせをしていない。
此処に私と秋が来たことは、伝えていない。
「長い年月離れていたのだもの。
そんな突然向かい合うなんて、誰だって出来ないよ」
「……」
「今日はただ……この街に来るだけで
雰囲気を感じるだけでもいいなって思ったの」