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アンケートから生まれた Love story
第15章 アンケートから生まれた Love story
「── 7月1日。
あなたが声を掛けてくれた日が、全ての始まりだった」
「……!」
「この手が、俺を救ってくれたんだ」
キラキラと輝く太陽の光を反射させて
秋が真っ直ぐ私を見つめる。
「元婚約者を許す優しさ、直向きに進む強さ
気遣ってくれるところも、信じてくれるところも。
あなたの姿と言葉のひとつひとつが、俺に希望を与えてくれて
……諦めなくていいって、背中を押してくれた」
「……っ」
「母と話す機会をくれた、あの奇跡が無ければ
後遺症に苦しんだまま、きっとこの先も抜け出せなかったと思う」
……秋の手に包まれて
何かが込み上げてきて言葉にならない。
「ありがとう、しえりさん」
「……!」
「ありがとうじゃ足りないけど、本当にありがとう」
どうしよう。
胸がいっぱいで苦しい。
秋が私に……気持ちを伝えてくれている。
「どれだけ感謝を伝えても
溢れてくるし、伝えきれないけど
……ってごめん、もう何を前置きしてもだめだ」
秋が、切なそうな表情になってから……小さく微笑んだ。
「しえりさん。
俺、こんなに人を好きになったことないよ」
「……っ」
「あなたを心から愛してる」